演奏しながら学ぶ 音楽理論 現代の意識変遷を通して
フェリチタス・ムーへ(著)
竹田 喜代子・堀内 美江(訳)
.........(本書P2「推薦の言葉」より抜粋).........
東京で朝日カルチャーセンターが始まったころ、ドイツから帰国した私は、日本で初めて設けられた「シュタイナー教育入門」の講座を引き受け、音楽と絵にひたされた不思議な学校の姿を紹介しました。その音楽は宇宙的な広さ・深さのなかで太古から未来につながる響きをもつかのような謎を秘めていました。その謎は当時80歳を超えていたミュンヘン・シュタイナー学校の、フェリチタス・ムーへ先生が書いた本で少し解けるかもしれません、と私が見せた大判のドイツ書には、天体と音楽のかかわりを示す図面がたくさん入っていました。それを受講生の竹田喜代子さんが熱心に見入り、感動の面持ちで「いつかこれを訳して、日本に紹介したい」と漏らしました。
あれから25年、竹田さんは本書の読書会を主宰し、ドイツ語を勉強し、たびたびドイツに研修に行き、シュタイナー思想の奥義を学んで、ついにこのたび本書の日本語訳を完成させました。その初志貫徹の壮挙には快哉を叫ばずにはいられません。(後略) 2005年 子安美知子
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..................(本書P3「前書き」より)..................
この本は、いわゆる音楽理論と和声学を深めるため、真剣に努力する全ての人々に捧げられています。そして成長しつつある人間を、音の造形を通して育て上げ、厳格ながらも素晴らしい音の領域の主人である音楽によって、理解と ---できることなら---、喜びと愛憎とを呼び覚ますことがどのような意味をもつのかを知る人々全てに捧げられています。同時にまた、人間の尊厳的文化を持続させるために永遠の責任を担う人々、神の意思や秩序だった美の宇宙的な法則の中へと自らをいざなう芸術的な訓練を逃し、人間の動物化に対する積極的な防波堤となろうとしている人々すべてに向けられています。
人間のますます強まる知性偏重に対し、音楽的な活動はひとつの治癒的な泉です。その際、音の世界は人間を、生きた
「体験」
へ連れ戻してくれます。
これがこの本を作った意図であり、希望なのです。
テオリアTheoria
とは「観ること」、---神を観ることを言います。そして「ハルモネイアHarmoneia」は、異種なものをつなごうとします。というのも、ハルモネイアは戦いの神アレスと愛の神アフロディーテの娘なのですから---(ポイオチア神話による)。
巻末にある練習にいたるまで、全て学校の子どもたちと試してみたことです。歌い、聞き、あるいは楽器を弾いたりもしてみました。この本と真摯に取り組み、練習し、実践として使いながら、みずからの音楽な課題と取り組んでみようとする全ての皆さまに、その活動が祝福に満ちた繁栄に胃たることをお祈りしています。
1997年 ミュンヘンにて フェリチタス・ムーへ
寸法:横 約21.5cm×縦 約30.3cm×厚み 約19mm
176ページ
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演奏しながら学ぶ 音楽理論 現代の意識変遷を通して
5,500円(税込)