星空への旅 地球から見た天体の行動
エリザベート・ムルデル(著)
新田義之(監修)
市村温司(訳)
---「監修者あとがき」より---
「私達は数年前に一緒にルドルフ・シュタイナーの『農業講座』を読み、日本の有機農業との関連において人智学的農業の勉強に手をつくたが、当然のことながら私達はそこで私達の持つ天文学の知識の偏りに気づかされた。私達は地動説を基本としながらも地球を中心とした天体の動きを理解しないと、地上で営まれる生活に対して何の実りも無いことを、遅まきながら悟ったのである。
市村さんに頼まれて私はそれから私達の知識の欠けを補うための文献を捜した。そして苦心の末いくつか私達の要求をみたしてくれるものを見つけたが、その中でも最も生彩のある作品と思われたのがこの本である。この本を私達は週一回一時間半ずつ読み、ほぼ半年かけて読み終わり熱心な市村さんは直ちに翻訳にかかって、半年かけて一応訳しおえた。その訳稿を原文と照らし合わせて私が目を通し終わった後、やはりこのユニークな本を出版して、私達と同じ思いをしている人達に読んで貰うことが望ましいという結論に達したのである。」(P137-138「監修者あとがき」より 一九八八年三月七日)
地動説や天動説、ビックバンなど「科学的」ですが、ある意味「実感的」でない宇宙観ではなく、本書は地球から見た天体の行動をそのまま考察し検証しています。
天の現象を、単に天文学的に説明するだけではなく、それを身体で実感できるようにしようというのが本書のねらいとなっています。
宇宙が人間によって地球の側から眺められ、体験されるように全体が構成されています。このような視点で宇宙を観察する本は他には見られず、非常にユニークな内容となっています。子どもたちに宇宙の話をする機会のある保護者の方にとってももちろん有益ですが、宇宙の不思議さや月や星の動きに興味を持つ大人にとって、目が覚めるような体験が可能な本です。
本書は1989年3月に人智学出版社より発行された『星空への旅』を復刊したものです。復刊に際しては、発行当時の時代背景を考慮して原本をできるだけ活かすこととしましたが、監修者による若干の語句の修正が行われています。(出版社解説より)
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目次
- 前書き
- 序章
- 第一章 人間空間と地球空間 --- 地平線と天頂 天の赤道と天の極点
- 第二章 天球での位置決定
- 第三章 地球空間と太陽空間 --- 黄道と黄道極
- 第四章 春分点の移動
- 第五章 四季
- 第六章 ダンスをする十二獣帯
- 第七章 ヨハネス・ケプラーの法則
- 第八章 月と月空間
- 第九章 日食と月食
- 第十章 惑星の運行 内惑星
- 外惑星
- 第十一章 惑星についての補足
- 監修者あとがき
- 訳者あとがき
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