「気になる子」のわらべうた
山下直樹(著)
落ち着きがない、コミュニケーションが苦手、朝起きられない……そんな「気になる子」におすすめなのが、「わらべうた」。
保育現場だけでなく家庭でも使える、新しいわらべうた集
[月刊クーヨン]に連載中の『「気になる子」のためのわらべうた』が4年分の記事+特集記事をつけて再編集されました。わらべうたをたのしみながら、わが子の「きになる」を変えるアドバイスが満載。保育現場だけでなく家庭でも使えます。
著者の山下直樹さんは、ルドルフ・シュタイナーの治癒教育を学んだ保育カウンセラーパパ。国内外の園を訪れて「気になる子」たちと触れ合うなかで、わらべうたには、「気になる子」をはじめとした子どもたちの心身を育てる要素が満載であることに気づいたと言います。
おなじみの「おしくらまんじゅう」から、変わり種の「お寺のはな子さん」など51曲を収録した、わらべうた入門書。
「わらべうたは、好きな調子でうたっていいし、好きなリズムをつけてもいいものです。参考として、簡単な譜面をつけているものもあります。」(P5より)
「子どもの感覚が育ちにくい現代。環境の大きな変化が。子どもの行動に一定の影響を与えていると、わたしは考えています。こどもたちは「便利」な世の中で、手足を思いっきり動かしてあそぶ機会が失われています。大人たちの夜型生活に引きずられて生活リズムがみだれ、日本はいまや世界有数の「子どもの睡眠時間が短い国」になっています。さらに刺激も依存性も強いスマートフォンやタブレットを、2歳児が四六時中触っているような時代です。子どものこころやからだがアンバランスに育っている可能性は大いにあるでしょう。
本書では、「感覚がアンバランスな子」を「気になる子」としてとらえ、「感覚を育てる」ことに焦点をあてています。とくに発達の土台となる「触覚」「生命感覚」「運動感覚」「平衡感覚」という4つの感覚を育てることが、子どものこころとからだを育んでいくという視点で書かれています。読者の方にはなじみがないかもしれませんが、これらはシュタイナー教育の感覚論をベースにしています。
「触覚」は、触れ合うことを通して安心・信頼を育みます。「生命感覚」は、「食べる・寝る・あそぶ」を中心とした生活リズムをつくることで、自律神経を整えます。
「運動感覚」は、自分のからだの大きさや動きを知覚することで、自由に動くからだへと導きます。
「平衡感覚」は、回転や前後上下左右の動きを知覚し、外部空間と自身との関係を知覚します。
これらを育むのにぴったりなのが、わらべうたです。
わらべうたは、やさしく触れ合ったり、くすぐりあったり、抱きしめたりすることが多いので、必然的に触れ合いの時間が生まれます。大好きな大人から触れられることで、「自分は自分でいいんだ」という気持ちが育まれ、大人との愛着関係も深まっていきます。こうした「触覚」を基本に、「生命感覚」や「運動感覚」、「平衡感覚」を育む要素も、わらべうたにはふんだんに入っています。
わらべうたを通して、子どもたちの感覚が育ち、よりいきいきとしたこころとからだを育むことにつながることを、わたしは願っています」(P2〜3「はじめに」より)
もくじ
- はじめに....「気になる子」ってどんな子?
- 「気になる子」にはあそびが必要!
- なべなべ そこぬけ
- からだのうごきが「気になる子」
「からだを育てる」わらべうた- 好奇心旺盛で動き回る子
うまはとしとし
- じっとしていられない子
おふねがぎっちらこ
いもむしごろごろ
- 落ち着きのない子
ぼうずぼうず
なかなかほい
- 乱暴な子
おらうちのどてかぼちゃ
おしくらまんじゅう
- エネルギーがあり余っている子
こりゃどこのじぞうさん
おおなみこなみ
- からだのコントロールができない子
あしあしあひる
- 姿勢のよくない子
おおかぜこかぜ
- 姿勢を保てない子
うまがはしれば
だれとだるまと
- よくぶつかる子
ふくすけさん
ここはてっくび
- 痛みを知らない子
いちばちとまった
- 転びやすい子
すっかときって
いちじく にんじん
- アンバランスな子
ゆっつゆっつ桃の木
- 手の動きが多い子
こめついたらはなそ
- うまく運べない子
さらわたし
- 手先が不器用な子
おせんべやけたかな
- 動きがぎこちない子
ちびすけどっこい
いろはにこんぺいとう
くまさん くまさん
- 好奇心旺盛で動き回る子
- コミュニケーションが「気になる子」
「こころを満たす」わらべうた- みんなとあそべない子
おてぶし てぶし
お寺のはなこさん
だるまさんがころんだ
あのね、おしょうさんがね
- コミュニケーションが苦手な子
あめこんこん
ほたるこい
- ひとに合わせれない子
てんやのおもち
- 交代ができない子
じごくごくらく
- 協調性に欠ける子
でんでらりゅうば
- 関わりの難しい子
にらめっこ
- 不安の強い子
おなべふ
おやゆびねむれ
いっぽんばし こちょこちょ
東京都日本橋
- 触れられるのがイヤな子
とんとんどなた
- まねるのが苦手な子
だんごをたべた
たんぽぽ たんぽぽ
たけのこ めだした
- 緊張の強い子
正月三日のもちつき
めんめんすーすー
- 乱暴な行動をしてしまう子
もちっこやいて
- みんなとあそべない子
- 暮らしの中で「気になる子」
「きっかけづくり」のわらべうた- 切り替えが苦手な子
さよなら あんころもち
- なかなか寝ない子
ねんねんねやま
えんやらもものき
- 目覚めのよくない子
ととけっこう
- 切り替えが苦手な子
- 「遅い」「できない」=障がいですか?
- おわりに...
子ども時代にできることを存分にする
山下直樹
ルドルフ・シュタイナーの治療教育を学んだ後、幼稚園や小・中学校のカウンセラー等として勤務。保育カウンセラーとして、現在も定期的に保育園で保育カウンセリングを行っている。2018年現在、名古屋短期大学保育科准教授。4児の父。
本のサイズ:横 約18.3cm×縦 約24cm×厚み 約1cm
131ページ
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「気になる子」のわらべうた
1,650円(税込)