シュタイナー学校の英語の時間
ロイ・ウィルキンソン(著)
飯野一彦(訳)
シュタイナー教育の研究・実践に70余年取り組んだ著者が、自らの教師経験をふまえて書いた「英語教育」の手引書。
「本書は、小学校低学年からの英語教育を考える上で参考になるアイデアがたくさん紹介されている。「話す」「聞く」「読む」「書く」の四技能に加え、「文法」の導入に際してのアイデアまで詳細に紹介されている。その点で、本書は現場で悩む多くの教師にとっては大いに助けとなる参考書である。
ただし、一読すればわかるとおり、本書はイギリスのシュタイナー学校における「英語教育」であり、それは当然のことながら、わが国でいえば「国語教育」にあたるものである。したがって、本書は「外国語としての英語教育」の手引書としては一線を画するものである。それゆえ、そのような期待をして本書を手に取った読者には、少し期待を裏切られたと感じる方もおられるかもしれない。しかし、そうした読者にこそ、もう一度本書を熟読していただきたい。本書は、著者が冒頭で述べられているように、もともと語学教育への単なる技術的な指導書ではなく、言語を教育することとはどういうことか、人間的な成長を視野に入れた語学教育とはどういうものか、ということを根本から考えさせるものである。(…中略…)
従来の英語教育に加え、本書が紹介したシュタイナー学校における独特な言語認識を根底にした語学教育に目を向けることは、今日の日本の英語教育の方向性の再考に一石を投じる可能性を秘めているかもしれない。その点において、本書が母国語としての英語教育を扱っているとはいえ、わが国の英語教育への新たな提言として読まれるならば、本書の価値は決して失われるものではないと思われる。」(P179〜P181「訳者あとがき」より)
[目次]
- 序
- 授業を始める前に
- 実際の指導
- 第1学年 6/7歳
- 第2学年 7/8歳
- 第3学年 8/9歳
- 第4学年 9/10歳
- 第5学年 10/11歳
- 第6学年 11/12歳
- 第7学年 12/13歳
- 第8学年 13/14歳
- 第9学年 14/15歳
- 第10学年 15/16歳
- 第11学年 16/17歳
- 第12学年 17/18歳
- 第1学年 6/7歳
- 6歳児から14歳児までの推薦図書
- 参考文献
- 訳注
- 解説
- 訳者あとがき
ロイ・ウィルキンソン : 1911年、英国レスターシャー州に生まれる。地元の初等学校を卒業後、1927年、スイスに留学。1929‐33年、ゲーテアーヌムにて演劇と朗誦法を学ぶ。帰国後、シュタイナー学校の教師として教育実践や講演活動をする傍ら、シュタイナー思想や教育について執筆活動を展開する。2007年、死去
飯野一彦 : 1956年、群馬県に生まれる。上智大学外国語学部英語学科卒業。英国ウォーリック大学大学院修士課程(英語教育学専攻)修了。文学修士。現在、国立群馬工業高等専門学校教授
寸法:横 約12.8cm×縦 約18.8cm×厚み 約12mm
181ページ
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