Bolk医学学習の手引き(2) 胎生学 現象学的見地からみた初期発生
[本][健康・医学・治癒教育]
Guus van der Bie(著)
藤原 卓哉(翻訳)
オランダのLouis Bolk 研究所発行の人気シリーズ「医学教育刷新プロジェクト」の基礎医学教科書第2弾。
「胎生学
わたしたちは、人間は人間にしかない独特な特徴をそなえていると感じていますが、その感じには科学的な根拠があるのでしょうか?
それとも人間の精神と身体は動物の生命のひとつのバリエーションに過ぎないのでしょうか?
わたしたちはこうした問いに対して、頭も心も納得できるような答えを見出せるでしょうか?
これらの問いに答えられるかどうかは、どのような科学的方法を用いるかにかかっています。
本書ではふたつの方法が用いられています。
解剖的事実を学ぶための現行の科学的方法と、これらの事実の意味を理解するための現象学的方法です。
胎生学的な初期発生からは、人間のユニークで特徴的な性質を学ぶことができるでしょう。
ここからたとえば意識、心理、行動と身体の形状との関係を理解する可能性が開けてくるでしょう。
Louis Bolk 研究所
Louis Bolk 研究所についてLouis Bolk 研究所は1976年以来、有機農業、栄養および保健に関する革新的な科学的研究の草分けとして活動してきました。
本研究所が目指しているのは科学的研究の基礎を拡張することです。
従来の研究方法では不十分な領域においては新たな方法が探求されています。例えば、現象学、参加型調査、画像形態学的研究(pictomorphogical investigations)、意識的-直感的方法などであり、そこにおいてはルドルフ=シュタイナーの哲学がインスピレーションの源泉となっています。
著者について
Guus van der Bie 医学博士(1945年生まれ)
1967年から1976年までに解剖学および発生学の講師としてオランダのユトレヒト州立大学医学部に勤務。それ以降は家庭医として働きながら、健康な、あるいは病気の人間を理解する上でのゲーテ的な科学の重要性を認識してきました。診療に次ぐ仕事として学生、医師そして療法士たちの教育に携わり続けています。1998年には現在の生命医科学による人間への科学的なアプローチを補完するための「医学教育刷新」プロジェクトの創始者の一人となりました。
プロジェクトについて
「医学教育刷新」プロジェクトは、ゲーテの現象学的方法を用いることにより、現在の生命医科学的事実をいかにして異なる方向から理解できるかを示すモジュールを生み出すことを目指しています。この結果として生命医科学に新たな概念が生じます。こうした新たな概念は生体における生化学的、生理的、形態学的因子とその時間的、空間的発展に関する理解をとらえなおします。これによって例えば、意識、心理および行動と身体の形状との関係を見て取ることが可能になります。
「Bolk 医学学習の手引き」は現行の医学教育を補完し、とりわけ今日の生命医科学の基礎における人間の本質を明らかにするものです。」(本書P2より)
目次
- 序文
- 謝辞
- 1章 序論
◆人間の胎児の初期発生
- 2章 配偶子形成
◆形態学
【配偶子形成】【受精】【概要と結論】
- 3章 発生第1週
◆形態学
【受精】【細胞膜の連続性】【透明帯】【細胞裂開】【緻密化】【胚休眠】【受精から着床まで:特別な期間?】【双生児の成長】
◆概要と結論
【形態学】【ゲーテ的見地】
- 4章 発生第2週
◆形態学
【成長】【分化】【代謝】【二層性の胚盤】
◆概要と結論
【形態学】【ゲーテ的見地】
- 5章 発生第3週
◆形態学
【胚盤の軸左右対称の発生】【原始線条と中胚葉】【円筒状体の形態、折りたたみのプロセス】【図5.2と5.3に関する注釈】【内部臓器の分化】
◆概要と結論
【形態学】【ゲーテ的見地】
- 6章 胎芽期
◆形態学
【折りたたみのプロセス】【展開するプロセス】
◆概要と結論
【形態学】【ゲーテ的見地】
- 7章 発生における4つのプロセスの特徴
◆はじめに
◆個々の発生の身体的な状態
【生物学における身体的物質】【表面および境界】
◆個別的生命の生理的プロセスと変形
【時間内の構造】【変態】
◆生命プロセスと意識
【意識、生理学と反射】【精神神経薬理学】【内界と外界の関係】
◆意識、行動と決定論
- 8章 初期発生における4つの特性:形態力学
◆概観
◆中心と周縁の関係
【第一相の形態力学】【第二相の形態力学】【第三相の形態力学】【第四相の形態力学】
- 9章 概要
◆発生の相
参考文献
A4サイズ(横 約210mm×縦 約298mm×厚さ 約2mm)
30ページ
Tweet